ディエッサーをかけても歯擦音が消えない理由|刺さらないボーカルの作り方
ディエッサーを深くかけているのに、「さ行」だけがまだ刺さる。反対に、効かせるほど声全体が暗くなってしまう。そんなときは、スレッショルドを下げる前に、検出している場所と処理の順番を確認します。
歯擦音は一つの周波数ではない
歯擦音の中心は歌い手、マイク、発音によって変わります。同じテイクでも「さ」「し」「つ」で強い場所が異なることがあります。周波数を固定して強く削るより、問題の子音をループしながら検出帯域を探します。
まず確認したい4つのポイント
検出モニターで、声ではなく歯擦音を正しく拾えているか
リダクション量が子音の瞬間だけ動いているか
コンプレッサーやサチュレーターの後で再び刺さりが増えていないか
ドライ音ではなくリバーブやディレイが痛くなっていないか
一段で消し切らず、二段に分ける
一台で大きく抑えると、発音が不自然になりやすくなります。例えばコンプレッサー前で強いピークだけを軽く抑え、コンプレッサー後でもう一度整えると、それぞれの処理量を小さくできます。二段とも常時動かす必要はありません。
ワイドバンドとスプリットバンドを使い分ける
ワイドバンドは歯擦音の瞬間に声全体を少し下げるため、自然に聞こえることがあります。スプリットバンドは対象帯域だけを下げられますが、設定次第では高域の質感が変わります。どちらが優れているかではなく、素材に対して違和感が少ない方を選びます。
リバーブの前でも整える
残響は歯擦音を長く引き伸ばします。ボーカルトラック側で問題がなくても、リバーブへ送る信号だけに軽いディエッサーを入れると、空気感を残しながら刺さりを抑えられます。
ディエッサーの目的は、歯擦音を消すことではなく、歌詞を自然に届けることです。
設定後の確認
伴奏を鳴らした状態でオン・オフを比較する
音量をそろえて比較する
小音量でも子音が聞き取れるか確認する
イヤホンとスピーカーの両方で確認する
効かせすぎて「さ行」が「た行」のようになっていないか確認する
刺さる瞬間だけが落ち着き、声の明るさと発音が残っていれば、処理量としては十分です。
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