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EQで高音を足す前にやること|抜けるのに耳が疲れないミックス

ミックスを明るくしたいとき、8kHzや12kHzを持ち上げるだけでは、抜けより先に痛さが出ることがあります。高域は足す量より、何が高域を隠しているかを見つける方が重要です。

1|まず音量バランスを整える

抜けない音をEQする前に、伴奏を1〜2dB下げてみます。ボーカルや主旋律が小さいだけなら、高域を足す必要はありません。全体を小さな音量で再生し、主役が自然に追えるかを確認します。

2|200〜800Hzの混雑を確認する

高域不足に聞こえても、実際には低中域が多すぎて明るさを隠していることがあります。主役以外の楽器から不要な箱鳴りや濁りを少しずつ整理すると、主役の高域を上げずに前へ出せます。

3|歯擦音と明るさを分ける

ボーカルの明るさは母音の倍音、歯擦音はサ行やタ行の短いピークです。同じEQで扱うと、声全体を暗くするか、歯擦音だけ痛くする結果になりがちです。ディエッサーやダイナミックEQで短いピークを先に整えます。

4|サチュレーションで倍音を作る

高域そのものを持ち上げる代わりに、軽いサチュレーションで中高域の倍音を加える方法があります。低い音量でも輪郭が見えやすくなり、鋭いEQブーストより自然に感じることがあります。処理量はバイパスで分かる手前から始めます。

5|シェルフEQは広く浅く使う

素材が整った後、必要なら高域シェルフを0.5〜2dB程度から試します。周波数を高くしすぎると空気感だけが増え、低すぎると子音が強くなります。曲の主役が明るくなる位置を探し、必ず同じ音量で比較します。

6|リバーブの高域を見直す

原音ではなく、リバーブやディレイの高域が積み重なって刺さる場合があります。残響側へローパスやディエッサーを使うと、原音の明るさを保ったまま耳当たりを柔らかくできます。

7|小音量と大音量の両方で確認する

小音量では輪郭が残り、大きくしても耳を背けたくならない状態が理想です。大音量だけで調整すると、聴覚が高域に慣れて足しすぎやすくなります。短時間ごとに音量を戻し、休憩を入れます。

高音が多いことと、解像度が高いことは同じではありません。細部が自然に分かれ、歯擦音やシンバルが粒立ちながらも角がない状態を目指します。

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